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「カスタマーエクスペリエンスによる差別化」

【BPR For DX】Vol.4「企業競争力のコアとなる営業プロセスのBPR」の記事の中で、「テクノロジーの進化で、製品やサービスの差別化が非常に難しい時代になった」とお伝えしました。すべての業界で、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験、CX)が差別化要因になってきたと言っても過言ではありません。Amazonの優位性は、CXの勝利と言えるでしょう。他社と同様の製品を売っていながら、徹底した顧客志向で他社が真似できないCXの優位性を築き上げました。

「営業の仕事はさらに複雑化していく」

営業の仕事には、カスタマーエクスペリエンスのすべてが含まれます。顧客志向を強めれば強めるほど、顧客の多様なニーズや要求に応えていく必要があるため、営業やカスタマーサポートの仕事はさらに複雑化します。製品サービスのカスタマイズ、柔軟な価格設定、提案書の度重なる作成、納期の指定、請求方法や支払方法の柔軟な対応、販売後のフォローアップやサポートなど、営業の仕事は個々の顧客に対応して成約率を上げようとするに従い、必ず複雑化します。売上高が成長している企業は、顧客の細かいニーズや要求に応えて成長している可能性が高く、営業事務プロセスが複雑化している確率が高いようです。

「最終的には顧客満足度が下がる」

売上成長が好調な企業にも大きな落とし穴が待っています。複雑化した営業事務プロセスはさらに肥大し、営業職の残業も、投入した派遣社員も限界に達し、顧客への対応時間が長くなったり、ミスが頻発するなどの問題が顕在化していきます。この段階に達すると、今度は顧客からのクレーム処理に時間が使われ、悪循環に入っていきます。複雑化した営業プロセスを、暫定的にエクセルシートで自動化しても効果は限定的ですし、営業人員の増員で対応しても、根本的な解決にはなりません。営業人員を増員した分は、本来の営業活動に使われることなく、事務プロセス対応に投入されていくのです。

「成長企業こそ定期的に営業プロセスの見直しを」

以上お話してきた通り、成長企業は営業事務プロセスが複雑化し、営業生産性が低下するリスクを抱えています。リスクの根本的な解決は、BPRを通じて営業プロセス全体を抜本的に見直すことしかありません。顧客の多様なニーズや要求に応えつつ、効率的に案件を処理する営業事務プロセスを再設計し、更にDXによってカスタマーエクスペリエンスの優位性を確立することが重要です。当社のBPRワークショップも活用頂きながら、定期的な営業事務プロセスの見直し、改革を進めて頂きたいと思います。

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