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「『仕事は効率的にお願いします』という掛け声」

実際に我々が出会ったある大手上場企業の事業部長は、「社員の残業時間が多い」という指摘を人事部から毎月受けているそうです。社員は真面目に仕事に取り組んでおり、早めに終わらせようと努力もしていますが、売上を伸ばすために顧客対応は以前より増加し、残業時間はむしろ増加傾向にあります。

その状況に対するこの事業部長の改善アクションは、毎週の部門会議の際に社員に「仕事は効率的にお願いします」という掛け声をかけるだけ。これは、「社員が仕事の効率化をできない」という前提で責任を社員へ押し付けるスタンスです。一方で、人事部に対しては、「人員が不足している。残業時間の問題を解決するなら派遣社員を探してほしい」という要望を出していたのです。

「そもそも無理な上司の期待」

その事業部長は、「自分でやっている仕事なのだし、知識や経験もあるのだから、仕事の現状を整理したり課題を洗い出せるのは当たり前だ。難しいことだとは思えない」との持論を持っていました。ところが、事業部長自身は、これまでのビジネス経験の中で、業務プロセスの分析も改善もやったことがないので、方法論は何もわかっていません。また、部門内でBPRのトレーニングを受けたことのある社員、経験を持った社員は一人もいないので、誰かに任せることもできません。

「誰もできないなら教育を受ければよい」と、人事部に社員研修プログラムを確認したところ、BPRに関するトレーニングはビジネストレーニングの標準プログラムには入っておらず、自費で受けるなら外部講座を紹介すると言われるだけ。流石に自費で受けるほどではないので、とりあえず我流でBPRっぽいことをやってみる。でも効果はあまり出ない。

ここまで我々が出会った事業部長のお話をご紹介しましたが、こういった方は実は珍しくありません。我々はBPRワークショップをご提供する際に、業界、業種、会社規模に関係なくよく出会うタイプの方です。

「BPRは自然発生的には起こらない」

BPRは概念的には難しい話ではありません。新しい話でもありません。超単純に言ってしまえば、業務プロセスの現状分析(As Is)、改善の方向性を決定(To Be)、実現可能なプロセスの設計(Can be)を行うことです。でも、実際にやってみるとこれが意外に難しいのです。

専門的なBPRのスキルトレーニングを受けていない場合に、よくプロジェクト担当者は以下の理由で躓き、プロジェクトは頓挫します。

  • 習熟している現状業務にこだわり、客観的判断ができない
  • 現状にいる人材、人間関係やシステムを前提にしか話が進まない
  • 業務手順書などとの区別が分からず、プロセスのレベル感が分からない
  • 前後のプロセスとのつながりを理解しておらず、業務の全体観がない
  • システム化を前提として、データの流れや処理内容などを整理できない

「BPRワークショップで担当者が悩むを要素を取り除く」

当社で提供しているBPRワークショップは、BPR経験豊富なBPRファシリテーターが、貴社の現状に合わせて適切なBPRのアプローチを選択してファシリテートします。また、社員自らがBPRを主導し、社員同士で意見交換しながら改革していく場づくりをコーディネートします。担当者が悩む要素の解消と同時に、DXの加速に導くことが可能です。興味のある会社様は以下ボタンよりお問い合わせください。

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