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「デジタルトランスフォーメーション(DX)って何だっけ」

「デジタル技術の活用が遅れている」と、長期間言われ続けていた日本企業が、いよいよ本腰でデジタル技術の活用に取り組む時代になりました。少子高齢化による人手不足や国際競争力の喪失など、様々な問題が顕在化し、政府を含め社会全体に「変革待ったなし」の危機感が認識され始めていることが、デジタル活用本格化の背景にあると思われます。

DXの定義を調べてみると多々あるようですが、「DXは単なるデジタル技術による効率化、自動化ではなく、新たなビジネスモデルの創出や新製品・新サービスの開発が伴うもの」という定義が一般的な理解ではないでしょうか。

「簡単にビジネスモデル変革というけれど」

ビジネスモデル変革は、デジタル技術があれば短期間で簡単に実現できるものなのでしょうか?新規事業を除いては、既存事業を動かす業務プロセスをもとに、現場社員が既存顧客に日々サービスを継続しています。企業にとってはそれが短期、中期で事業を継続するための売上、利益の源泉です。

「ビジネスモデルを変革しDXを推進せよ」と経営陣が現場へ指示しても、現場では既存事業を維持するために日々の業務を安定的に動かしていかなければなりません。つまり、簡単に業務を大きく変更するわけにはいかないのです。例えば、無理に新たなビジネスモデルを現場に導入すると、現場のこれまでの予定調和が壊れ、業務は一時的に混乱します。結果として既存顧客に対するサービスレベル低下、それが社会的なレピュテーション低下や従業員のモチベーション低下を招いたり等、大きなリスクが伴います。

「ビジネスモデル変革は現実にはボトムアップのプロセス変革から」

eコマース最強のビジネスモデルと言われるAmazonを例に挙げてみます。Amazonは、ジェフベソスが理想のビジネスモデルを最初から掲げて実現したビジネスではありません。Amazonのビジネスは、長年の徹底した顧客志向に基づき、すべての業務プロセスを見直し続けた結果であると言え、かつ現在進行形で進化しています。Amazonの競争力の源泉は、徹底した業務プロセス変革を継続する企業文化を作ったことにあるのです。デジタル技術はあくまでもその実現手段に過ぎないことを十分に理解し、顧客価値の創出に徹底してフォーカスした点が重要であると言えるでしょう。

「DXは徹底した既存の業務プロセス分析と顧客視点のプロセス変革から実現する」

Amazonのように、ビジネスモデル変革を伴うDXは、既存の業務プロセスに対する分析と、その変革をベースにスタートするアプローチが王道であると言えます。当社が「BPR For DX」とユーザー企業に強くお伝えしている理由がそこにあります。

まず現場主導のBPRをスタート地点とすること。次に、顧客視点での業務プロセス変革が継続する企業文化の定着を図ること。最終的に、変革したプロセスをベースにデジタル技術活用の議論に繋げること。真のDXを実現する王道のアプローチで当社はご支援を行っています。

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