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「そもそも「ビジネスモデル」とは?」

DXの要点については、多くの専門家が様々な表現をしていますが、概ね「デジタル技術を組織横断的に活用し、ビジネスモデルの変革を行う」という点については共通しています。

本日の記事でフォーカスする点は、「そもそもビジネスモデルとは何か」です。「ビジネスモデル」は日々のビジネス現場で頻繁に使われている言葉ですが、何を指す言葉か、正確に定義を語れる方はそう多くはないと思います。DXを「ビジネスモデルの変革」と表現しながら、「ビジネスモデル」の定義があいまいでは、DXも方向感が定まりません。

「ビジネスモデル」の定義については、多くの経営のエキスパートが達が様々な表現を試みています。

「代表的な「ビジネスモデル」の定義」

例えば、経営戦略論の大家、ゲイリーハメルの「ビジネスモデル」の定義は非常に有名ですが少々古典的で難解です【1】。ここでは、比較的シンプルなマークジョンソンの「ビジネスモデル」の定義を参考に考えてみましょう【2】。

マークジョンソンはビジネスモデルに必要な以下4つの要素を定義しています。

(1)顧客価値の提供

(2)利益方程式(金儲けの方法)

(3)カギとなる経営資源(人材、技術、情報、ブランド、チャネル、ノウハウ等)

(4)カギとなるプロセス

言い換えれば、「カギとなる経営資源」を「カギとなるプロセス」で有機的に結びつけ、結果として「顧客価値の提供」と「利益方程式(金儲け)」の2つを可能にするものが「ビジネスモデル」になるということになります。

「「ビジネスモデル」と「DX」の関係性」

では、「ビジネスモデル」は「DX」や「BPR」とどのような関係にあるのでしょうか?

「DX」は、ジョンソンの「ビジネスモデル」の定義を借りれば、「カギとなるプロセスにデジタル技術を組織横断的に活用することで、カギとなる経営資源を有機的に結びつけ、顧客価値提供と利益創出を実現し、ビジネスモデルの変革を促す」ことだと言えるでしょう。すべてがデジタル中心で進む現在では、「DX」は「ビジネスモデル」を変革するための必須の実現手段と言えます。

「「BPR」は「DX」の重要なステップ」

では「BPR」は「ビジネスモデル」や「DX」とどのような関係にあるのでしょうか?

「BPR」は、「カギとなる経営資源を有機的に結びつけ、顧客価値提供と利益創出を実現するための具体的なプロセスを設計し、そして実行するための重要なステップの一つと捉えることができます。

業務プロセスの現状を把握分析し、顧客価値提供と利益創出のためのプロセスのあるべき姿を定義することで、「DX」の実現方法を明確にします。「DX」の実現方法が明確化すれば、自ずと「ビジネスモデル」の変革は促進されることになるのです。

その際に、当社がお客様に常にお伝えしている、教科書的な理論偏重のプロセス設計でなく、現場社員が十分に納得し実行可能なプロセスへ落とし込める合意形成の環境づくりがキーとなります。

 

【1】「リーディング・ザ・レボリューション」(ゲイリーハメル/2001)

【2】「ホワイトスペース戦略」(マークジョンソン/2011)

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